「ネジで走りが変わるってマジ?」から始まった話 NINJABOLT開発ストーリー Vol.0
「ネジを交換しただけで、クルマの走りが変わる。」
初めてこの一文を目にしたり耳にしたとき、多くの人はこう思うはずです。
「いやいや、そんなうまい話あるわけないやろ」と。
正直に言うと、最初にその“違い”を目の当たりにしたとき、一番驚いていたのは私自身でした。
そして同時に、「ほんまに?(笑)」とニヤニヤしながらも、これは簡単に信じたらあかんやつやぞと、自分にブレーキもかけていました。
だからこそNINJABOLTは、「自分だけで信じ込んで盛り上がる」道ではなく、現場と第三者のフィードバックから、時間をかけて育ってきたブランドです。
そもそも NINJABOLT って何者?
NINJABOLT(ニンジャボルト)は、“車の電気を整える”ことに特化した小さなブランドです。
ボルト/ナット/ヒューズ/アースケーブルといった、ごく普通に見えるパーツを通して、エンジン効率・レスポンス・静粛性・安定感を底上げすることを目指しています。
ちょっと無茶な目標として掲げているのは、「世界の平均燃費を10km/L上げる。」というもの。
もちろん、これは「このパーツを付ければ勝手に10km/L上がります」という意味ではありません。後で触れますが、運転するのはドライバーであり、燃費を良くするのも最終的には“あなた自身”です。
私たちはそのきっかけとして、「電気の流れを整える」という、これまであまり触れられてこなかった領域からクルマのポテンシャルを引き出すお手伝いをしています。
最初に驚いたのは、「現場で見せてもらった一本のボルト」だった
私がこの技術に出会ったのは、身近な整備・カスタムの現場でした。
ある日、なんの変哲もない鉄/クロメートのボルトにとある工夫を施したパーツが持ち込まれ、「ちょっとこれ、面白いかもしれん」という流れで、お客さまのクルマに試す機会があったんです。
当時の私は、「燃費が上がるパーツ」だとか「車の走りに効く」だとか「オカルトパーツ」といったジャンルのことを、正直あまりよく知りませんでした。世の中に似たような言葉が溢れていることも、ほとんど意識していませんでした。なんなら当時はまだクルマを運転したこともなく、運転免許を取ろうと自動車教習所に通っている途中。
「クルマってかっこいいな〜便利やな〜」くらいに思う、ごく普通の青年でした。当時26〜27歳の兄ちゃんです。
ただ、現場で実際にそのボルトを取り付けて、「いつも通りの感じで、ちょっと一回走ってきてください」とお客さまにお願いする。
戻ってきたその人の第一声や表情が、あまりにもリアルで、「マジか…そんなことほんまにあるんかよ。」と言うものだったんです。
「え、なんかエンジン軽くなってない?」「さっきまでと全然ちゃうやん」
そんな反応を、車種も年式もバラバラなお客さまたちが、それぞれの言葉で口にし始めました。
その瞬間に、私の中でスイッチが入りました。衝撃の電気が走りました。「これや!」と得体の知れない感覚に包まれたのを今でも覚えています。
「うわ、これはほんまなんや。この反応は“営業トークに付き合ってくれている顔”じゃない。」
そう確信したんです。
もちろん内心では、嬉しくてニヤニヤしていました。
「やばい、本物を見つけてしまったかもしれん。この技術をちゃんと育てたら、とんでもなく面白いことになるかもしれん。」
そんな興奮もありました。
でも同時に、「ここで浮かれて調子に乗って終わらせたらアカン」という感覚も強かった。
ほんまに? をホンモノ。にしていくには、自分たちの気分や思い込みとは切り離して、きちんと俯瞰で公平に確かめていく必要がある。
そういう責任感のようなものが生まれたのを覚えています。
偶然の一本から始まった、「ノーバイアス実験」
そこから私たちは、この技術をできるだけフラットに検証することに集中しました。
ポイントは、「自分たちだけで判断しない」「前情報を与えない」ということです。
車のことを一般的に理解していて、かつ本音で話し合える友人たち。車いじりが好きな仲間や、長年お付き合いのあるお客さまの中でも“重鎮”と呼べるような方々。そういった、信頼しているけれど甘やかしてはくれない人たちに協力してもらいました。
彼らには、最初は一切詳しい説明をしません。
ただ取り付けるところだけ見せて、「それ、何してますのん?」と聞かれても「まあ、ええからええから(笑)。ちょっとぐるっとドライブしてきてください」とだけ伝える。
こちらの情熱や希望的観測、前情報をできるだけゼロに近づけた状態(ノーバイアス)で、好きなように走ってきてもらいました。
戻ってきた彼らから、「これ、何ですのん?!」といった感想を満遍なく集める。
「なんかエンジンが軽い気がする」「アクセルのツキが良くなった」「アイドリングが静かになった」―― そんな言葉が、車種も走り方も違う人たちから、少しずつ、でも確かに重なり始めました。
大事にしたのは、こちらから「こう感じてほしい」と誘導しないこと。ちゃんと効果が出ていることが嬉しくて、こちらからベラベラ喋ってしまわないことです。YouTube の取付後のテストドライブでの車内トークでも気をつけているんですが、ついつい先回りして話し過ぎてしまうことが、今でもたまにあります。
今となっては効果に自信があるので、「こんなところにも気がついてみてほしい」「このあときっと、ここにも変化が出てくるかもしれないから感じ逃さないでほしい」と、どんどん伝えたくなってしまう。NINJABOLTのボルトという面白い体験を楽しんでもらいたいし、好きになってもらいたいからです。
しかし、それは取り付けてくれたお客さんが久しぶりに味わう「日常の中の非日常」── それこそまさに、半信半疑を乗り越えてニンジャボルトを受け入れてくれなければ絶対に辿り着けなかった、あのとき私が味わった「本物の感動」を、こちら側から奪ってしまうことにもなりかねません。
時には「いや、正直よく分からん」「こういう場面では違いを感じたけど、ここは変わらん」といった
率直すぎるフィードバックももらいながら、その共通点と違いをひとつひとつ言語化していきました。
ですので決して、私たちだけで信じたいことを信じて盛り上がり、盲目的に開発を進めたわけではありません。
むしろ開発の初期は、私たち自身よりも第三者に試してもらう時間の方が長かったと言えるかもしれません。
材質・形・ポイントを変えながら、「再現性」を追い込んでいった
そうして見えてきた「何か違う」という感触を、今度は科学的・ロジカルな目線で掘り下げていきました。
材質、ボルトやナットの形状、表面処理の方法、締め付けるトルク、取り付けるポイント……。
「一体この目の前で起こっている現象は、何が起きているのか。」
目には見えないけれど、確かにそこに存在している“何か”がある。説明できない現象を、ずっと「魔法」のままにしておいて本当にいいのか?
ひとつ要素を変えるごとに、また友人やお客さまに試してもらい、「さっきよりどうか」「別の車種ではどうか」を確かめ続ける。それを繰り返すうちに、「どこに付けても一定の効果はあるけれど、特に効く“ツボ”がある」ことが分かってきました。
その代表例が、バッテリーターミナルやマイナスアース周辺です。車両全体の電位差やアースの質に直結するポイントであり、ここを整えることで、エンジン・制御系・電装品の“土台”が安定してくる感覚がありました。
魔法のパーツを追加すれば追加した分だけ効果もはっきりくっきり大きくなる相加効果的な感覚もありますが、要所要所を抑えていくことによって二次曲線的に効果が大きくなっていくような相乗効果も感じられるのです。
詳しい理屈や、なぜそうなるのかという解説は、これからこのブログの中で、もう少し掘り下げて書いていこうと思います。
Vol.0 ではひとまず、「偶然のひらめき」が「再現性のある変化」に育っていった、というところまで伝わってくれれば嬉しいです。
「体感できる変化」があるからこそ、ネジにしては高い
見た目だけで言えば、NINJABOLTのパーツはただのネジやナット、ヒューズです。
ホームセンターに並んでいるものと比べると、正直「ネジのくせに高い」と言われても仕方のない価格帯かもしれません。
それでもこの価格設定にしているのは、「体感できる変化があるかどうか」を基準にしているからです。固定することが目的のボルトやナットと思うと確かに高い価格です。過電流が流れた時に短絡してくれる回路の安全装置として働くこと、通電すること、静電気を逃がしてアースを取ることが目的のヒューズやアースケーブルだと思うと確かに割高かも知れません。
ですが違うんです。ニンジャボルトが届けたいのは本来の固定や通電の役割だけではありません。その奥に見出すことができた「感動体験」を味わってもらうことができるホンモノの付加価値です。ここを多くの車好きの方に知ってもらいたい。
実際に取り付けてくださったお客さまからは、
- 「これはちょっと感動ものでした」
- 「やっと本物に出会えた気がします」
そんなメッセージやコメントをいただくことが増えてきました。中には「南部さんに出会えてよかった!ありがとう、南部さん!」とお手紙をいただいたことや、購入者さまならお馴染みのボルトナットが個包装されている熱でビニールを溶かして隔壁を作る、30cmのプロインパルスシーラーをプレゼントしてくださったお客様もいらっしゃいます。ダイヤルで加熱時間を選べるんです!。
安さで勝負するブランドではない分、そういった経験から「効かせにいく」「ごまかさない」という姿勢だけは大事にしたいと思っています。
「世界の平均燃費を10km/L上げる」という目標に込めた本音
ここで、さっきのちょっと無茶な目標――「世界の平均燃費を10km/L上げる。」について、少しだけ本音を話しておきたいと思います。
まず大前提として、NINJABOLTのパーツは「付ければ勝手に燃費が上がる魔法の杖」ではありません。
法律の世界でも、燃費パーツとして「必ず◯km/L上がります」といった表現をするには、車種や型式毎に明確なエビデンスや条件を揃える必要がありますし、それ以前に、燃費とは運転の仕方ひとつで大きく変わってしまうものです。ですので、実際問題、”燃費”だけにフォーカスした「必ず燃費が上がります!本当です!買ってください!」と言った燃費パーツは謳うことは実質不可能でそのアプローチでは世の中に発信することはできないのです。
しかし実績として、「平均燃費が 19km/L から 25km/L になった」というお客さまの例もあります。
ただ、それは「NINJABOLTを付けた」+「ドライバー自身が燃費を意識して走った」という相関関係の結果であって、「このパーツだけで必ず6km/L上がります」と言い切れるものではありません。

私たちはよく、
「このパーツを取り付けても、勝手に燃費は上がりません」とお伝えしています。
でも実際には、「それでも燃費が上がってしまう方が続出している」。
だからもし、「燃費は上がりません」とお伝えしているのにあなたの燃費まで上がってしまったら……。すみません、それは一緒に喜ばせてください!笑
NINJABOLTが提供しているのは、燃費という数字“だけ”を上げるパーツではありません。
走りの軽さ、滑らかさ、運転のしやすさ、クルマとの一体感。
そういった「走りの質」が変わった結果として、気持ちよく、無駄の少ない走りが増え、その副産物として燃費が良くなることが多い。私たちはそう捉えています。
だからこそ、「世界の平均燃費を10km/L上げる」という目標は、私ひとりの自己満足のための数字ではなく、NINJABOLTとユーザーさんが一緒じゃないと絶対に届かないゴールだと思っています。
新車でも中古車でも、新古車でも。ガソリン車でもHV・PHV・PHEV・EVでも。
スポーツカーやスーパーカーのような特別な一台だけでなく、軽自動車や家族のファミリーカー、仕事で酷使される営業車やトラックまで。
どんなクルマにも、まだまだ「電気を整える余地」が眠っています。
そう、私たちが世界を変えるのではありません。
私たちのパーツをきっかけに、あなた自身が、あなたのクルマとの関係と”走り”を変えていく。その積み重ねの先に、「世界の平均燃費を10km/L上げる」というちょっと大きな夢を見ています。「わたし」だけが出会えたこのニンジャボルトの「感動」が世界中の一人一人に伝播していけばいつか必ず達成できると信じています。10km/Lには及ばなかったとしても、6km,7km,8kmと何もしない今までよりかは必ず世界が良くなると信じています。でも、一人一人が本気を出したら、みんなで一緒に信じたら、本当に叶えられると私は本気で信じています。
このブログで一緒に探検したいこと
この「NINJABOLT開発ストーリー Vol.0」は、いわば私から皆さまへ魔界の入口の名刺のようなものです。
ここから先のNINJABOLTブログでは、
- 新しいボルト/ナット/ヒューズ/アースケーブルの開発ログ・検証レポート
- お客さまのお車の取り付け事例やビフォーアフターの記録
- 電気やアーシング、燃費の考え方などのコラム
- ときどき、NINJABOLT南部 個人の視点で綴るクルマや暮らしの話
そんなメッセージやコンテンツを通じて、「科学と感動のあいだ」を一緒に探検していけたらと思っています。
「ちょっと試してみようかな」と思ったら
もしここまで読んで、「なんかよく分からんけど、ちょっと気になるな」「おもろいな!こいつのことなんか好きやわ◎」と感じていただけたなら、まずは次の2つをやってみてもらえると嬉しいです。
- いま乗っているクルマの、メーターに表示されている航続可能距離と平均燃費を写真に撮っておく
- エンジンルーム全体と、バッテリー周辺(ターミナルや固定ボルト・ナット)が分かる写真を撮っておく
これだけで、あなたのクルマの「ビフォーの記録」ができます。あとは、NINJABOLTに写真を送ってもらえれば、「どこから整えていくのが良さそうか」を一緒に考えるところからスタートできます。ニンジャボルトの魔法のパーツを取り付けなくても、日々のメンテナンスや調律・メンテナンスチューニングによって、あなたの愛車を調子良く走らせる方法はいくらでもあります。
愛車に少し、こんな不満がある。ここさえ解決すれば完璧なんだけどな──。もしも、そんなふうに愛車が良くなるのなら、将来こんな仕様にしてみたい、あんな走りができるようにしてみたい……。そんなお話を、ぜひ私としましょう!
パワーと燃費といった相反する両極の要素を、両方手に入れられるかもしれません、と言ったら── あなたはどうしたいですか?ぜひ、私にメッセージください◎
お問い合わせフォームからでも、
公式LINEからでも大丈夫です。
もちろん、まずはブログを読み進めながら、「この人ほんまに大丈夫やろか?」とじっくり見極めてもらっても構いません🙇♂️笑
NINJABOLTは、まだまだ発展途上のブランドです。
私ひとりでは見つけられないポイントも、みなさんと一緒なら、きっともっと面白い世界まで行けると信じています。
ここまで読んでくれて、本当にありがとうございます。
これからも、「科学と感動のあいだ」を一緒に探検する旅に、少しだけ付き合ってもらえたら嬉しいです。
